ドライバーのマデさん物語~ウブドで出会いは突然に~

バリ島ウブドでの生活も慣れてきたとある暑い日のこと

ウブドの町の中心部を歩く度に言われる「タクシーあるよ」と言う呼び込みに若干ウンザリしてた

彼ら客引きは、みんな良い人たちだったが、しつこいのが玉に傷だった

ウブドでは、見どころが点在してるのに加え、交通機関があまり発展してないのもあって、ウブドの観光は観光バス、もしくはタクシーでの観光がベターだ

1日貸切のタクシーの客引きたちの声があちこちで聞こえる

マデさんと

あまりにも暑い日だったので

木陰で休憩しようと段になってるところに座る

ちょうど隣で休憩してたのが、マデさんだった

マデさんの穏やかな人柄に惹かれる

そして1番惹かれたのが、彼が自分から「タクシー」と言ってこなかった事

私たちは、マデさんにウブドの町を案内して欲しくなった

「私たちのドライバーする時間無い?」と切り出してみた

答えは勿論イエス。

マデさんと

翌日、マデさんにウブドを案内して貰うことになった

通常であれば、ここで料金交渉が必要だったが、この時は本気でマデさんを信じてみたい気持ちになった

故に、料金交渉はなしにした

マデさんが言う「友達だから」

という言葉にかけてみることにした

マデさんの自宅

翌日、ウブドを案内して貰う

私たちの行きたかったところにすべて連れてって貰う

観光し終わった後に、「ドライバー料いくら?」
とマデさんに聞く

彼は、相場よりもかなり安い金額を提示してきた

「友達だから」

と。

マデさんの自宅

その後、マデさんに「家族に紹介したいからうちにおいで」と誘われた

勿論、私たちに断る理由は無かった

マデさんの家は、ウブドから車で1時間程走ったところにある小さな小さなみんな知り合いの村だった

観光客は、あまり来ないような村で、かなり珍しがられる

よそ者の私たちに、みんな手を振り、笑顔で挨拶をしてくれる

道と言う道は整備されてなく、でこぼこな道で、周りは何もない村

お風呂は川で水浴びだそう

もちろん、女の人も

マデさんの自宅

そしてマデさんの家族もやはりみんな温かかった

私と同じ年の奥様、おばあちゃん、そしてマデさんのお兄さん、お兄さんの奥様、2番目の娘、3番目の息子、わんこが温かく迎えてくれる

マデさんの自宅で

前日に交わした会話の中で、ヤシの実ジュースとナシゴレン、コーヒーが大好物だよ。と私が言った言葉を覚えてて、なんと私の大好物すべてを振舞ってくれた

マデさんの自宅にて

「スペシャルなコーヒーだよ」

とマデさんが淹れてくれたコーヒーは、バリで飲んだコーヒーの中で一番美味しいコーヒーだった

こういうのを「最高のおもてなし」と言うんだろうな

と思う

マデさんの自宅にて

出会いはすべて必然だ

そしてすべて「タイミング」なんだと思う

もし、ちょっとでもタイミングがずれてたら、私たちはマデさんと、マデさんの家族と出会えなかったかもしれない

マデさんの自宅にて

マデさんの乗ってた車は、日本から輸入されてきた車だった

その中に、昔の古いカセットテープが入ってたようで

マデさんはずっと聞いてるうちに、日本の歌が大好きになったと言う

そして中でもバラードが好きだそうだ

テープの中に入ってた「風に立つライオン」

マデさんが一番好きな歌

「風に立つライオン」が出来た経緯を、マデさんに教える

私もこの歌は大好きな歌だったから

更に親近感が増した

マデさんの自宅

美しい情景を交えて描かれる詩

この詩の影には、物語がある

人は何かと引き換えに、夢を現実にする

風に立つライオンの中で、アフリカから帰れなくなった医師の先生へ

日本にいる恋人から届いた手紙に対するお返事がこの曲なんだよ

と、マデさんに教える

マデさんは、何も言わなかった

あの時、マデさんが何を感じたのかは知る由もない

マデさんの子供

僕は風に向かって立つ ライオンでありたい

そして

私も

あの時まだマデさんは、メールアドレスを持ってなかった

次にウブドに行く時に

「風に立つライオン」を持って行こうと思う

もしも縁があるのであれば

また会えるはずだから

ウブドの地で

マデさんの自宅にて

※こちらのドライバーのマデさん物語は、ほぐしかふぇのコラムの1番最初に書かせて頂いた物語の完全版です。

読んだことがある。という方もいらっしゃるはずです

物語と書いてますが、もちろん100パーセント実話です(^^



風に立つライオン
https://www.youtube.com/watch?v=1d7jsVnKpWc

マデさんと
最新情報をチェックしよう!

バリ島 旅物語の最新記事