毎日暑い日差しが降り注ぐバリ島のウブド
私が一番好きな場所は
宿のテラスだった
宿で唯一風が吹き抜ける場所
夕方になると、宿のお兄ちゃんがしてくれる打ち水で涼しくなる場所
そしてカタカタと言う
独特のバリ風鈴の音色を堪能できる場所
バリでは、どこに行ってもバリ風鈴の音を聞く事が出来た
私はこの優しい音色が大好きだった
夜になると
ヤモリたちの合唱が始まる
「ヤモリの声を11回続けて聞くと、幸せになれるんだって」
タイで友達に聞いたヤモリの言い伝え
東南アジアに古くから伝わる言い伝えだそうだ
ヤモリの合唱が始まると、いつも耳を澄ませて見るも
未だにまだ11回続けてきいた事が無い
マッサージの練習をしてる以外の時間は、このテラスで過ごすことが多かった
しばらく同じ宿に滞在してたので、宿の子供たちと仲良くなる
子供たちの目は、みんなキラキラしてた
海外で子供たちと仲良くなるのに、言葉は必要ない
お互いに、別の国の言葉を話してたとしても
それで話が通じる
私たちの旅の目的は
観光じゃなかったため
こんな日々を送っていた
世界のマッサージとホスピタリティを学ぶという目的はあったにせよ
後は自由気ままだった
長い人生のうちでこんな時間を過ごせる人がどれだけいるのだろうか
ちょうどこの記事を書き始めた時に、今海外で生活してる友人からメールが届いた
「地に足がついた生活を早くしなきゃ」と、彼女は焦ってた
私からしたら、彼女は充分今でも地に足がついた生活をしてると思う
ちゃんと考えて、自分で決断をして「今」と言う時間を海外で過ごしてるのだから
彼女が海外に行くために「日本」で捨てたものは、計り知れないと思う
一歩を踏み出すためには、何かを捨てなきゃ踏み出せない
これは鉄則だと思う
何も捨てずに、一歩を踏み出せる人がいたらお会いしてみたいものだ
私たちも、一歩踏み出す度に、色々なものを捨ててきてる
捨てる変わりに、それ以上のものを手に入れてる
捨てなきゃ入ってこない
クローゼットを思い浮かべるとわかるように、もう一杯のクローゼットには、何も入れられない
人生も同じだと思う
バリでのことを思い浮かべながら
彼女にメールを送った
つい先ほどのこと
日本に帰ってきて、彼女はきっと一歩先に進めると思う
ちゃんと動き出してるから
既にたくさんのものを得てるのだから
「好きを仕事にすること」は、誰にでも出来そうで出来ないこと
好きなことを仕事に出来てる人と言うのは、それだけで人生得してると思う
それも、自分で今まで生きてきた、決断してきた結果なんだと思う
私は、彼女の未来に期待してる
この物語が終わるころ、彼女の物語も書けることが今の私の密かな目標だ
点と点が
線につながる未来を夢みてる私がいる
バリでの朝食は、毎朝テラスのテーブルに運ばれて来る
大抵バリではどこに泊まっても朝食付きのことが多い
食べきれない程の山盛りのフルーツと
一杯のバリコーヒーと共に、毎日が始まる
バリでの生活は
まさに私が思い描く未来の日常だった
マデさんと
食堂のおかあさんと
そのほかにも、仲良くなった人たちとの時間が終わりに近づいてきた頃
私の腹痛がピークを迎えた
原因ははっきりしてる
マデさんに観光に連れてってもらった時に、地元の人からもらった果物にあたった
その直後からだったので
原因はそれしか思い当らなかった
このまま飛べないんじゃないかと思った位
この時は、この腹痛が３か国またぐ事になるとは知らずに
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もう過去の話なので書きますが、私はかなり免疫力が無かったようで、海外では本当にすぐにお腹を壊します。熱もしょっちゅう出してました(^^;)
その癖、色々屋台のものを食べたり、地元の人と同じものを食べるために、毎回大変な思いをしてました。
正露丸も大きいのを持って行ったのですが、最初の２か月ちょっとで無くなり、出会う旅人に貰いながら旅してました。
アジアを抜けてからは、あまりそんな事も無くなりましたが、色々と大変な思いをした旅でした。
「それで旅が嫌いにならないの？」とよく聞かれますが、まったくもって嫌いになりません(笑)
辛い事と言うのは、時の流れと共に記憶から薄れていきます。
喉元過ぎれば熱さを忘れる
まさに、そうですね(^^;)
今となっては、良い思い出です。
